(本家)銀河鉄道の夜(宮沢賢治編)お母さんは僕を許してくれるだろうか?

宮沢賢治作 銀河鉄道の夜 あらすじ


1◆ジョバンニとカムパネルラ
少年ジョバンニは病気の母を助けるため学校のある日も朝晩働いている。父は北の海に漁に行ったまま行方知れずである。
皆が遊んでいる時も働かなくてはならないジョバンニは他の子供たちにもよくからかわれ、孤独を感じていた。
幼馴染のカムパネルラは勉強もよくでき、家は裕福で父親は町でも尊敬されている学者である。
ジョバンニとカンパネルラは仲良しだった。またジョバンニとカムパネルラの父親同士も仲が良かった。

2◆銀河鉄道での旅立ち
お祭の夜、人々は楽しげだったがジョバンニには遊んでいる暇は無かった。母のために牛乳を貰いに行く途中、いじわるなザネリにからかわれたジョバンニはますます孤独を感じ、一人で丘に上がって、寝転んで天の川の流れる星空を見上げた。
するとどこからか「銀河ステーション!銀河ステーション!」という列車のアナウンスを聞く。気付くとジョバンニは夜の銀河を走る鉄道「銀河鉄道」に乗り込んでいた。向かい側にはカムパネルラが座っている。二人は友情を確かめ合いながら旅に出る。

3◆出会いと別れ
銀河鉄道でジョバンニとカムパネルラはさまざまな人と乗り合わせる。鳥捕り(鳥を捕まえて売る人)や灯台守(灯台の明かりを管理する人)などが乗ってくるが、みなどこかしらで降りていく。かおるとタダシの姉弟とその家庭教師の青年の3人は、「乗っていた船が氷山に追突して沈んでしまい、気づくと銀河鉄道に乗っていた」と語る。彼らは他の誰かを助けるために自分たちが犠牲になったのだった。カムパネルラはジョバンニに「お母さんは僕を許してくれるだろうか?」と不思議なことを聞くがジョバンニはその意味が良く分からない。

4◆本当の幸せとは
さまざまな乗客と出会い、また別れ、最後に二人きりになったジョバンニとカムパネルラ。「本当の幸せってなんだろう?二人でずっと一緒にその本当の幸せを探していこう」と互いに誓う合うのだが、カムパネルラはジョバンニを残して一人で列車を降りて行ってしまう。ジョバンニは裏切られた気持ちになり悲しくなり、ふと気づくと最初に星空を見上げていた丘に一人でいる。さっきの列車の旅はなんだったのだろう?夢だったのか?カムパネルラはどこにいるのだろう?

5◆旅の終わり
ジョバンニはカンパネルラが川に落ちたザネリを助けて犠牲になり、自分は流されて死んでしまったことを知らされる。カムパネルラの父親が、行方不明だったジョバンニの父親が戻ってくることを教えてくれる。ジョバンニは銀河鉄道とそこに乗り合わせた乗客たち、カムパネルラの言葉の意味などを理解した。そして父親が帰ってくることを母親に知らせに行こうと家に走っていく。




銀河鉄道の夜 はとても難解な物語だ。
宮沢賢治も書きながら自分でも混乱したり、途中でやめたりしているようだ。
だから、後年になって研究家たちの手によって「こうであろう」らしい物語に構築されて、現在の「銀河鉄道の夜」という物語がある。
一応の完成形になったとはいえ、まだ随分分かりにくい物語である。
特に「銀河鉄道の夜」って誰に聞いてもまともに物語の中身を知らない人が多い。私も「なんだっけ?」と思ったので、読み直してみた。
あらすじは勝手に5項目に分けてみた。
自己犠牲こそが本当の幸せ?誰かの代わりに犠牲になることが崇高?
私は聖人君子にはなれないようだ。



いつくかのポイントをメモっておこう
・大好きな親友(カムパネルラ)が自分をいじめる大嫌いなザネリを助けて死んでしまったという現実(皮肉なできごと)
・親友は去った。しかし父は戻ってくる、という不思議な入れ替わり。(往く人、帰る人)
・父が戻ってくることにより、恐らく孤独から解放されるだろうという予測(もう働かなくていい、からかわれなくて済む、普通の暮らしに戻れる)
そして、カムパネルラの死という結末によって、「お母さんは僕を許してくれるだろうか?」という謎の質問の意味が、明らかになる。カムパネルラは、信念に従って生き、信念に従って死んだ。自分が正しいと信じた道を進み、人生を全うしたカムパネルラ。そんな自分の生き方を母が認めてくれて、許してくれるだろうか?と、カムパネルラは、親友のジョバンニに尋ねたのだ。


[PR]
by frater2015 | 2015-08-24 03:18